海鮮丼のエントロピーを許すな
海鮮丼を語るにあたって、まずエントロピーの説明から入ろうと思う。
エントロピーは「乱雑さ」とか「無秩序度」を表す概念だ。掃除直後の部屋のエントロピーは小さく、年末の電柱のふもとでは大きい。
宇宙規模で見るとこれはひたすら増えているよ、というのが「エントロピー増大の法則」である。
言い換えるとこれは「宇宙は均一になりたがる」という性質を示す。均一とはつまりグチャグチャで、ムラがないということだ。
プラスとマイナスの電気は引きつけあって±0をつくる。不均一なのは嫌だから。
コーヒーにミルクを入れると混ざる。これも均一になるため。
高温と低温が触れたときもそうだ。
低温側に熱が移動し、温度は均一になる。
つまり何が言いたいか?
ぬるい刺身を許すな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(忙しい方へ:もうここで読むのやめて大丈夫です)
刺身は冷蔵庫で冷やされている。米はせいぜい人肌だ。海鮮丼が宇宙の一部である以上、熱が移動するのは避けられない。
とはいえ許せますか!??!!ぬるい刺身が!!!!?たるんで赤い汁が出たマグロが!!?!!!?
(ヒント:許せない)
海鮮丼の話はひとまず放置して、次は宇宙の終わりについて語ろう。
先ほどエントロピーは増大し続けると書いたが、じゃあ増大しきった宇宙はどうなるのか?
それがつまり宇宙の終わりだ。
かっこいい用語で「熱的終焉」という。(かっこいいね)
まず宇宙にはエネルギーがある。
速く動くもの、高いところにあるものはそれだけでエネルギーを持つ。
熱、光、質量だってエネルギーだ。
これらのエントロピーが極限まで増大すると、すべてが熱に変わり、宇宙全体に広がる。
とはいえ宇宙は果てしなく広く、全エネルギーを熱に変換しても大して暖まらない。
具体的に言うとほぼ絶対零度。2〜3Kらしい。
よって宇宙からは何もなくなる。
基準が無いから上も下もない。
北極星は既に熱になった。
なんて退屈な!と叫ぼうにも身体がない。
これがきわめて現実的な「宇宙の終わり」である。
宇宙と海鮮丼がエントロピーによって結ばれていることがよくわかったと思う。
せっかくだし2つを融合させよう。
海鮮丼に熱的終焉を迎えさせる。
宇宙の一部である海鮮丼を切り取って、単体で完結する宇宙を考える。
われわれが住む通常宇宙と海鮮丼宇宙の最大の違いは、その大きさだ。
全エネルギー使っても寒かった通常宇宙に比べ、海鮮丼は非常に狭い。
ある程度は暖まるだろうし、初期の宇宙のように質量が再び発生する可能性もある。
海鮮丼宇宙の大半は水とデンプンが埋め尽くしているので、発生する物体もそれに準じる。
水はまだいいとして、デンプンは構造が複雑すぎる。分解されたブドウ糖の状態ならどうにかなるかもしれない。
総括しよう。
海鮮丼はやがて熱エネルギーの塊となり、その一部は質量として物質をつくる。
主成分は水とブドウ糖。
温度が氷点下だと水は凍結し始めるが、液体の水と均一に混じっている。
スムージーじゃん。
(おわり)
P.S.
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